改めて見まして、感想を書きます。
2017年公開、福山雅治主演、是枝裕和監督の映画です。
まず最初に見た時は、一度見ただけでは、中々真相は分からなかったです。
改めて見ても、本当はどうだったんだろうと、思いますね。
初めは福山雅治演じる主人公弁護士が、ドライかつ現実的な弁護士として描かれていました。
しかし、物語が進むに連れ、真相を知りたいという情熱や、被告人自体を理解したいけどできないという葛藤が生まれてきます。
それに対し、役所広司演じる被告人は、初めは、飄々とした態度に得体の知れない不気味さを感じる犯人として描かれていたのが、
物語が進むに連れ、自分を信じてもらいたいという人間同士の心の通じ合いを求めるようになっていきます。（最終的には、それすらも演技なのかも知れないという所が最大の見所。）
そして、判決が出た後は、後光が差し、神々しさまで身に纏ってしまうので、この被告人の不思議さは、もう、誰も彼を理解できないのかもしれないと思わされました。
劇中では、この被告人は二度しか殺人をしていないのですよね。
三度目は誰が誰を殺したのか。
この映画の最大の魅力は、映画タイトルの明確な回収が無い、というところなのではないかと思います。
